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「炊いたん」とは?
言葉の意味やおすすめのレシピをご紹介

「炊いたん」とは? 言葉の意味やおすすめのレシピをご紹介

京都料理を提供しているお店や紹介レシピで、「炊いたん」という言葉を見聞きしたことはありませんか? 言葉として聞いたことはあるものの、具体的にどのような料理のことなのかはよく知らないという方がいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、炊いたんの語源や意味、ヤマキのおすすめする炊いたんのレシピをご紹介します。

「炊いたん」とは

おいしく作れる茶碗蒸しの基本の作り方とコツ

「炊いたん」とは、京都弁で「炊いたもの」という意味です。関西地方では、一般に炊いたものを「炊いたの」と表現しますが、炊いたのが話し言葉の中で転じていき、炊いたんになったといわれています。

炊いたんという言葉は料理名のように使われていますが、具体的な料理を指す言葉ではありません。だしや醤油、酒、砂糖などの調味料で食材を炊くという調理法を表します。
料理名ではないので、メインの食材を冠して「○○の炊いたん」と表現します。

炊いたんは、京都の「おばんざい(お番菜)」の一種です。おばんざいとは、京都で日常的に食べられているお惣菜やおかずを指します。昆布やかつお節からとっただしを使って、旬の野菜や手近な食材、乾物などを調理し、食材を無駄なく使い切るのが特徴です。

炊いたんの基本的な作り方

おいしく作れる茶碗蒸しの基本の作り方とコツ

炊いたんは、だしや煮汁で材料をゆっくりと煮て、食材にだしや煮汁の味を染み込ませるのが基本的な調理法です。だしを活用することが多い関西地方では、大根の炊いたんやかぼちゃの炊いたんなど、多くの「炊いたん」が存在します。

おだしをベースに醤油やみりん、お酒などの調味料を加えて、食材の風味を損なわない薄味の煮汁を使って炊いていくのが特徴です。薄味の煮汁でゆっくりと素材を煮込むことから、だしのうま味と素材の風味を一緒に味わえる料理に仕上がります。

炊くと煮るの違いは?

おいしく作れる茶碗蒸しの基本の作り方とコツ

ここまでの説明で、「煮るとどう違うのだろう」と疑問に思った方が多いのでは。

関西地方では、食材を煮る時に「○○を炊く」と表現します。東日本の方は、炊くは「お米を炊く」という表現以外で使うことは少ないかもしれませんが、関西地方でいう「炊く」は、素材をひたひたのだしや煮汁などで煮る調理法のことです。
弱火で時間をかけながら食材を煮て、中まで煮汁を染み込ませる「煮含める」に近いイメージと考えると、わかりやすいかもしれません。

一方で、「煮る」はだしや煮汁などで食材を加熱することを指します。例えば、水分を多く残す豚汁や味噌汁を煮ると表現することはありますが、炊くには当てはまらないようです。

ヤマキがおすすめする、炊いたんのレシピ

炊いたんは、特定の料理を指す言葉ではないため、お好みの食材で作ることができます。
ここからは、乾物を使ったヤマキがおすすめする炊いたんの食材とレシピをご紹介します。今回ご紹介する炊いたんは、どれも和食の常備菜として便利でおいしくいただけます。お料理の幅が格段に広がりますよ。

油揚げの炊いたん

おいしく作れる茶碗蒸しの基本の作り方とコツ

だしと醤油、砂糖で炊いた油揚げは、そのままご飯のおかずとしてもおいしくいただけます。中にすし飯を詰めればおいなりさんの完成です。うどんにのせれば、きつねうどんのできあがりです。

【材料】

油揚げ 10枚
A だし 500ml
   醤油 大さじ3
   砂糖 大さじ8

【作り方】

1.油揚げは茹でて油抜きをします。沸騰したお湯で油揚げを数分茹でて、表面がボコボコとしてきたらお湯から取り出し冷水にかけます。十分に冷ませたら、しっかりと水気を切っておきましょう。
余分な油をしっかりと抜くのが、調味料を染み込ませておいしくするコツです。

2.だし・醤油・砂糖と油揚げを、フライパンなどに平たく入れて中火にかけます。油抜きをした油揚げは破けやすいので注意しましょう。煮汁が沸騰してきたら落とし蓋をして、弱火でさらに15分ほど炊きます。

3.荒熱をとったら完成です。冷蔵庫に入れて、3~5日くらい保存できます。

高野豆腐の炊いたん

おいしく作れる茶碗蒸しの基本の作り方とコツ

高野豆腐の炊いたんは、噛み締めるほどにだしのうま味が口いっぱいにあふれ出します。少し甘めに味付けしてもおいしくいただけます。

【材料】

高野豆腐 4枚
A だし 500ml
   薄口醤油 50ml
   みりん 50ml

【作り方】

1.高野豆腐を水で戻します。戻し不要のものでも、一度戻しておくとより柔らかな食感が楽しめます。戻した後は水気をきっちりと出し切ると、煮汁が染み込みやすくなります。

2.水気を切った高野豆腐を半分に切ります。

3.調味料をフライパンなどで合わせて、高野豆腐は平たく入れたら、中火にかけます。沸騰してきたら落とし蓋をして、弱火で15分ほど炊きましょう。

4.荒熱をとって味を染み込ませたら完成です。冷蔵庫で3~5日くらい保存できます。

インゲンやさやえんどうなどを加えると彩り良く仕上がります。その場合は、変色を防ぐため仕上がる直前に加えると良いでしょう。

干ししいたけの炊いたん

おいしく作れる茶碗蒸しの基本の作り方とコツ

干ししいたけの炊いたんは、お弁当のおかずにしたり、ちらし寿司や巻き寿司の具材にしたりと、さまざまな使い方ができて便利です。

【材料】

干し椎茸 10枚(50g)
水 300ml
A だし200ml
   醤油 大さじ2
   みりん 大さじ2
   砂糖 大さじ2

【作り方】

1.さっと洗った干ししいたけと水300mlをボウルなどに入れ、一晩ほど置いて戻します。

2. 戻した干ししいたけの軸をとる。戻し汁はペーパーなどでこす。

3.Aと2.を鍋に入れて中火にかける。

4.荒熱をとって味を染み込ませたら完成です。冷蔵庫で3~5日くらい保存できます。

5.煮汁が少なくなったら蓋を取り、煮汁の残りを確認しながら煮詰めます。ときどき鍋を振って、煮汁をしいたけに絡ませるようにしましょう。

6.煮汁がほとんどなくなったら火からおろし、荒熱をとって完成です。こちらも、冷蔵庫で3~5日ほど保存できます。

かんぴょうの炊いたん

おいしく作れる茶碗蒸しの基本の作り方とコツ

干ししいたけの炊いたんと同じく、ちらし寿司や巻き寿司の具材に活用できます。高野豆腐や干ししいたけの煮物の炊き合わせに使うのもおすすめです。

【材料】

かんぴょう 20g
塩 小さじ1/2
A だし 200ml
   醤油 大さじ1
   砂糖 大さじ1
   みりん 大さじ1

【作り方】

1.かんぴょうはさっと水洗いしてから、しんなりするまで塩もみします。そのまま洗い流さずに1Lの水に入れ、8~10分ほど茹でます。かんぴょうの厚さによって茹で時間が変わるので、様子を見ながら調整しましょう。

2.茹で上がったかんぴょうをざるに上げて水気を切り、食べやすい適当な大きさに切ります。

3.切ったかんぴょうと調味料を鍋に入れ、中火にかけます。鍋が沸騰してきたら落とし蓋をして、弱火でさらに10分ほど炊いてください。

4.煮汁が少なくなったら蓋を取ります。ときおり鍋を振って煮汁を絡ませながら、鍋底の煮汁がほとんどなくなるまで、かんぴょうを煮詰めていきます。

5.煮汁がほとんどなくなったら荒熱をとって完成です。

切り干し大根の炊いたん

おいしく作れる茶碗蒸しの基本の作り方とコツ

定番のおかず、切り干し大根の炊いたんも、家庭で簡単に作ることができます。千切りにしたにんじんや油揚げなどを加えて作るのもおすすめです。

【材料】

切り干し大根 30g
ごま油 小さじ1
A だし 200ml
   醤油 大さじ1
   みりん 大さじ1
   酒 大さじ1

【作り方】

1.切り干し大根をさっと洗ったら、かぶるくらいの水で戻します。煮汁がしっかりと染み込ませるために、芯が残らないようにしっかり戻すのがコツです。

2.戻した切り干し大根の水気を、しっかりと切ります。長すぎる場合は食べやすいサイズに切っておくと良いでしょう。

3.鍋にごま油を入れて、水気を切った切り干し大根を炒めます。にんじんを入れる場合は切り干し大根と一緒に炒めます。全体に油が馴染んだら、調味料と油揚げを加える場合は加えて煮て行きます。

4.煮汁が沸騰したら落とし蓋をして、火力は弱火にしてさらに8~10分ほど煮ます。

5.煮汁が鍋底に少し残っているくらいまで煮詰めたら完成です。常温まで冷ますと、味が良く染み込みます。

炊いたんを自宅でも味わおう

「炊いたん」は、京都をはじめとする関西地方の話し言葉のひとつです。食材を煮含めてゆっくりと味を染み込ませる調理法そのものを指す言葉です。
今回ご紹介したレシピは、乾物を使った常備菜としてとても便利なお料理です。煮物にしたらおいしそうな食材を使って、オリジナルの炊いたんを作ってみるのもおすすめです。だしと食材の味わいを楽しむ炊いたん作りに、チャレンジしてはいかがでしょうか。